*海堂の秘密*

乾海ギャグSS〜リク〜



「先輩・・ハイソックスをソックタッチでとめてたら脱げなくなっちゃったッス。」
「・・・!!!」
「・・・優しく脱がせてください。」
「海堂・・パ・・パン・・見えて・・・」
「どうしたんスか?」
「パ・パンツが見えてる!!!海堂のパンツが見えてる!!」


ーガバッ!!ー
夢・・・。やはり夢か。
朝の5時。乾は夢のような夢から醒めた。現実と随分かけ離れた夢に切なさMAXだ。
そうだよな、海堂が靴下なんか履くわけないしな。
でも、あのキレイな生足に靴も捨て難いけど、靴下を脱がすのも最高だな・・。
乾はありえない妄想に花を咲かせた。いつもの朝だ。いつもここから一日が始まる。


「乾先輩、ランニングに行ってきます。」
「そうだな。今日はちょっと良い天気だし、長めに走ってくるといいよ。」
「じゃあ。」
タッタッタッタと海堂は乾に背を向け走り出して行った。
後ろ姿がなんてセクシーなんだ。いつかあの後ろ姿を毎日のように抱きしめたい。むしろ磁石のように離れられなくなりたい。
乾の夢をのせた海堂の背中は小さくなっていった。
海堂の姿が見えなくなると、乾はもう誰もいなくなった部室に向かった。
今日は新しいデータ更新のために危険なデータ集めを行なう予定なのだった。
うす暗い部室でごそごそと動きまわる。不気味極まりない。
あった。これだ。今日こそデータを更新できる絶好の日。
乾は目的のテニスバックを手元に置くと、静かにチャックをあけた。
・・・?なんだこれは?
小さくきれいに丸められた何かを手に取り眺めてみるとそれは靴下のようだった。
「おかしい。海堂は靴下は履かないはずだ。まさか間違えたか?」

ーガチャー
「誰だ?!」
部室の扉から音がする。まずい。これでは変態だ。と思い、バックを急いで端に寄せた。
乾は自分がちょっと変態かもしれない?という自覚はあるものの部員達に
変態だ!と断定されて認識されていることを知らなかった。
「何してるんスか?」
うす暗い中で聞こえてくる声はさっき見送ったはずの海堂だった。
「か、海堂こそ、どうしたんだ?」
「ちょっと忘れ物しちまって。でも、アンタなんでこんな暗いとこにいるんスか?」
そういうと海堂は扉の近くにある電気のスイッチをつけた。
「・・・!!!何持ってんだ?!」
明るくなった部室で海堂が見たものは、靴下を握り締めた乾の姿だった。
「あ、あぁこれは・・。」
「何持ってるんだよ!!」
赤くなった顔で乾の手から靴下を取り返す。
「これ海堂のなの?海堂、靴下なんか履いてないでだろ?いつも素足じゃないか。」
「・・くるぶしソックス履いてるっス。」
「・・・えっ。」
「靴下履いてます。」
「・・・そ、そうだったの?」
乾は動揺した。いつも素足だと思っていたが、靴下が見えてないだけだったとは。
完璧なデータ不足だ、と。しかし、その一方で今日の夢が頭をよぎる。
デジャヴかもしれない。
その考えはだんだん乾の思考を汚染し始めた。
「海堂、靴下脱げる?」
「ハ?」
「手伝おうか?」
「・・・!!何言ってんだ!アンタ!!」
危ない。と察知した海堂はチャックが開けられて妙に端に寄っているテニスバックを取ると部室を急いで出ていった。
海堂・・。乾はバタンと勢いよく閉められた扉を見つめる。
やっぱり夢は夢だったか。
現実はそう甘くないことを知った。実際毎日そう思うのだが、なかなか学習能力がないのだ。
「でも、新しいデータがとれた。」
そう言う乾の顔は幸せそのものだった。海堂の秘密を自分だけが知っているという喜びで。
乾の目には海堂との明るい未来しか見えてなかった。

しかし、乾にのみ見えていた、というのが悲しい現実だった。


おわり

ぷた子様からのリク『薫のくるぶしソックスSS』です。
私的に、最初の「ソックタッチで脱げない。」ってのはかなり萌えるのですが、
ダメですかねぇ…。
病み上がりのまま変なテンションで仕上げました。



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えへへへへへへへ。(怖!)
冬スイカの沖あゆみ様から頂きました!
(※現在「まむの宮」さまに移転&933さんに改名されました)

サイトのTOPに「管理人の主張」コーナーがありまして、
そこに書かれていた
「みんな気づかないけど、くるぶしソックス履いてるッス。」という事実があったら激萌え
という主張に激しく同意し、あろうことかそんな海堂のSSを書いて下さい!と主張してしまいました。

…ああ…MOE…!

ありがたいですありがたいです。
新たなるMOE要素をありがとうございます。
しかも「ハイソがソックタッチで脱げない萌え」まで組み込まれております。
脱帽

そ し て

なんとまあこのSSの挿絵を描かせて頂いたりしてしまったのですよ…!!!
お・恐れ多い!!

なんとか…なんとか描きました、ええ。

でもあの、挿絵と言うか何と言うか的なモノです。
おまけに2枚も描きやがりまして、一方には女装が組み込まれております。(…。)
(※「挿絵」コンテンツより「まむの宮」さまへお飛びになってご覧下さいませ〜)


それではあゆみ様、ぷた子のわがままを快く聞いてくださって、
本当にありがとうございました!
また宜しくお願いします!!(!)